「仮面夫婦」とは、対外的には夫婦仲が良さそうに見えるのに、実際には夫婦関係が冷めきったまま婚姻関係を継続している状態を意味します。
また、仮面夫婦とまではいかないまでも、双方の愛情が希薄な「仮面夫婦予備軍」も含めると、その数は年々増加傾向にあるようです。
(これは、婚姻関係が継続しているため仮面夫婦問題が表面化せず、アンケート調査以上の正確な実数が把握できないため)
友人や知人に対しては仲がよさそうに振る舞い、一見すると生活も安定しているため問題はなさそうです。
しかし、その実態は既に愛情が希薄になり、日々のコミュニケーションも生活に必要最低限のレベル。
離婚という選択肢があるにも関わらず、婚姻関係を継続している背景には、様々な理由があるようです。
では、仮面夫婦になってしまう背景にはどのような理由があるのか?
仮面夫婦になってしまった場合、どのような課題があるのか?
誰にでも身近に起こり得る問題を解説していきます。
●どうして仮面夫婦になったのか?
「仮面夫婦ではないが、その傾向を感じる事がある」と答える予備軍の数を含めると、意外と多くのカップルが仮面夫婦になってしまう可能性があると考えられます。
次に、ごく普通のカップルだった男女が仮面夫婦になってしまったきっかけを解説していきます。
(1)信頼関係の崩壊/セックスレス
信頼関係が崩壊する際に一番多い理由が「パートナーの浮気」です。
信用していたはずのパートナー不貞行為が発覚すれば、愛情や信頼関係が崩壊するのは当然の事。
相手に対して抱いていた愛情や敬意の念が嫌悪感に変われば、セックスどころか、日常のスキンシップにも応じる気は失せるでしょう。
また、パートナーが浮気をしていなかったとしても、セックスの求めに応じない期間が長くなれば、自然と気持ちが薄れていくもの当然の事。
出産後の女性が育児に意識が行き過ぎて、旦那さんからの誘いに応じず、気がついたらセックスレスに…というパターンが多いようです。
「夫婦の営み」と呼ばれる行為の回数が減ることは、愛情が希薄になりつつある危険信号かもしれません。
次点で「家庭内暴力/モラハラ」「借金」などが挙げられます。
どちらにしても、結婚に対して「失敗した」「結婚生活なんてこんなもの…。」と諦めの感情が強くなると、円満な夫婦関係の維持は難しくなります。
(2)価値観の違い/生活環境の変化
夫が自分の趣味に没頭して家庭を省みなくなったり、妻が子供の教育に熱心になる余り家計の収支のバランスが崩れたり。
理由は様々ですが、生活の基盤となるべき「家庭」と、その他の優先順位が逆転してしまい、生活にすれ違いが生まれる事があります。
意見が合わないのであれば夫婦としての関係性が悪化するのも当然の話。
価値観の合わない相手との会話は時に激しい口論に発展することもあるため、お互いに最悪の事態を避けるために、必要最低限の会話しかしなくなります。
同じように、家庭よりも仕事を優先して長期出張や単身赴任を繰り返し、家庭を省みない夫の行動も同じ結果になりがちです。
家族のために頑張っているつもりが、意図せずに仮面夫婦になってしまう例も少なくありません。
(3)そもそも相手に関心が無かった
元々、結婚の意思が無かった二人の「出来ちゃった結婚」や、家庭や会社の都合でのお見合い結婚。
適齢期に独身でいるのも…と思い、マッチングサイトで条件の良い相手を選んでとりあえず…など。
結婚をしたは良いけど、元々、相手に特別な関心があったわけではなく「結果的に結婚した」カップルの場合、仮面夫婦になる可能性は高いです。
結婚前の相互理解が深まっていないのであれば、結婚後に発覚する考え方の違いや生活パターンの違いなど。
何より相手のペースに合わせようと努力する気持ちが希薄になるため、すれ違いが生まれやすいと考えられます。
これは、結婚の際に世間体や損得勘定を優先している場合に起こりやすい例です。