●仮面夫婦だった夫婦が理解を深めあった例とは？

様々な理由で仮面夫婦を続けていたとしても、離婚さえしていなければ夫婦関係を修復するチャンスはあります。
中には20年以上仮面夫婦を続けながらも、お互いの理解を深め合い関係を修復した例もあります。
実例を交えながら、関係修復を目指す際のポイントを解説していきます。

（１）ライフイベントに合わせてきっかけを見つける

一度、仮面夫婦になってしまうと、なかなか夫婦関係を修復するきっかけをつかむ事ができません。
無理に日常のコミュニケーションを活発にしようとすると返ってわざとらしくなってしまい、余計にギクシャクしてしまう可能性も出てきます。

そこで「ライフイベント」に注目をしてきっかけを探る方法があります。
これは、相手の誕生日や結婚記念日、子供の誕生日など。
他にもお正月やクリスマスなどの、多少なりとも気分が良いタイミングを見て、夫婦関係を改善する方法を話し合うきっかけを作ります。

この時、相手に対して共感／理解をするように努めるようにするのがポイント。
自分としても言いたい事がある…という気持ちは一歩引いておいて、まずは日常会話を取り戻すところから始めましょう。

長年に渡り仮面夫婦だったものの、子供の結婚を機にコミュニケーションの機会が増え、夫婦円満に戻った例もあります。

（２）外部からの情報を得る／カウンセリングを受ける

仮面夫婦は婚姻関係には否定的ですが、離婚に対してはもっと否定的です。
心のどこかでは「可能ならば関係を修復したい」と思っている人も多く、そのほとんどが、仲直りのきっかけを掴めていないだけだと言えます。

どんな問題でも同じ事が言えますが、独りで悩みを抱え込んでいても最良の解決策が見つかることはありません。
夫婦仲に問題があることを他人に打ち明けることに抵抗を感じるのは当然ですが、敢えて誰かに相談する事で、客観的なアドバイスを貰う事ができます。
当人にとっては非常に大きな問題でも、他人から見ればつまらない問題でしかない…というのもよくある話。
他と比べてみると、それほど深刻に考える事ではなかった…と気付ける事もあります。

面と向かって話し合うとすぐ喧嘩になる夫婦が、カウンセラーのアドバイスに従って生活パターンを変えただけで、夫婦の会話が増えたケースもあります。
（プライベート空間を作るため寝室は別にする、話し合いは子供が起きている時間にする、喧嘩になりそうな内容の場合はドライブをしながら話し合う…等）

（３）老後の生活に関して、腹を割って話し合う

仮面夫婦とは言え婚姻関係を続けているという事は、相手をパートナーとして認めている面があるはず。
しかし、理想と現実のギャップからストレスが溜まり、上手くコミュニケーションが取れていないだけ…とも言えます。

その際、厳しい現実から目を背けず、お互いに本音で話し合うもの相互理解を深める方法の一つ。
人生のパートナーとして生活を共にしていくのであれば、老後の問題は避けて通れません。

子供が成人をきっかけに離婚をするのか？定年離婚も視野にいれて考えるか？
離婚をしないのであれば、定年後の生活や一緒の墓に入るか否か？
真剣に話し合うと、お互いの本音や問題意識を共有できる事があります。
その結果、相手も実は仮面夫婦など望んではおらず、仲直りのきっかけを掴めていなかっただけ…とわかる事も。

本音や問題意識が共有できれば、問題解決の糸口を探る事はできます。
後はお互いにペースを合わせるように努力する姿勢を怠らなければ、自然と理解を深め合い、夫婦仲を修復する事ができるでしょう。

●最後に

一言で仮面夫婦といっても、その程度は夫婦によって千差万別です。
ちょっとしたすれ違いで冷戦状態が続いているだけの軽度な場合や、婚外恋愛も自由（≒浮気公認）な極端な夫婦など。
愛情や信頼関係は無くても利害の一致だけで婚姻関係を続けている、契約結婚状態の夫婦なども存在します。

とは言え、元々、夫婦の形というものは各家庭によってそれぞれ違って当たり前の話。
どのような理由があれ離婚をしないのであれば、それは「配偶者として必要な存在」として、認めている側面がある証拠でしょう。

長年、夫婦関係を続けていれば気持ちが冷めたり、一時的に他に興味が向いてしまう（浮気／趣味／子育て等）事があっても特別不思議な話ではありません。
仮面夫婦になってしまったとしても、お互いに認め合う気持ちが残っていれば生きている限り関係の修復は可能です。

もし「仮面夫婦なんだけど、関係を改善したい」と思うのであれば、その気持ちを相手に伝える努力をする事から始めましょう。
きっかけを掴むタイミングを逃しているのであれば、思い切って専門家に相談してみるのもオススメです。