罪悪感、不満が募り、自爆する
ダブル不倫の関係がバレにくい環境にあり、二人がお互いに対して誠実であれば、その関係は長く続くでしょう。
しかし、外的な要因に問題がなくても、ダブル不倫をしている女性の内面から問題が生じることがあります。内面の問題とは「罪悪感」や「不満」です。
不倫相手と会う時間をつくるために、「友達と食事する」「PTAの会合がある」「同窓会にいってくる」とウソの理由を夫に言って外出し、「友達のグチに付きあっているから遅くなる」とウソの言い分けを考えて夫にLINEを送る……。そうしたことを続けるうち、配偶者を裏切っていることを実感するようになります。もし、配偶者に愛情を感じなくなっていたとしても、不倫相手と過ごした後に帰宅し、子どもと接するときなど、家族を騙していることに後ろめたさを覚え、自分が大切な家庭を汚しているような気持ちにさいなまれるのです。
また、公にできない関係のため、不倫相手と会うのは、休日の昼間のにぎやかな繁華街やテーマパークといったデートスポットではなく、人目に触れない車中やホテルなど。
そのような閉塞的な場所でばかり会っていると、気持ちもネガティブな方向に向きがちです。最初は「一緒にいられるだけでいい」と思って始めた交際であっても、いつの間にか「お日さまの下で彼と手をつないで歩きたい」などと思うようになり、満たされない気持ちを抱くようになるものです。
しかし、そうした感情を、誰かに話すわけにはいきません。となると、その感情をぶつける相手は、不倫相手である彼しかいません。そうして、彼に気持ちをぶちまけ、ときには口論に発展することもあるでしょう。
そのような衝突が増えると、相手の男性がいくら包容力があって、感情を受け止めてくれたとしても、女性の不満は募り、家庭を裏切っている罪悪感とあいまって、自分を責めるようになります。
そうして精神的に不安定な状態が続き、その状態に疲弊した女性は、やがて「お互いの家族を大事にしよう」と自ら別れを告げるのです。
転居や介護などで会えなくなる
不倫の関係が長く続くと、お互いの生活も徐々に変化します。
例えば、不倫相手の男性や自分の夫に転勤の辞令が出て、転居しなくてはいけなくなることがあります。
「距離が離れていても二人の愛情はなくならない」と、転居した後も遠距離不倫を続けるカップルはいますが、ただでさえ会う時間が限られているダブル不倫。お互いに離れた場所に住んでいては、会うこともままならなくなります。
いくらLINEやスカイプなどで繋がっていたとしても、実際に会えない期間が長くなると、安定していた気持ちもだんだんと苦しくなってくるでしょう。
しかし、苦しむのも初めの数ヶ月間だけです。
なぜなら、人は完全に手に入らない距離にあるものに対しては熱が冷めるからです。彼とはもう会えないんだ、と悟ってしまえば、自然と彼への気持ちも終焉に向かいます。
また、親の介護が必要になり、家からなかなか出られなくなることもあります。
今までどおりに時間やお金を使えなくなるのはもちろんのこと、親が認知症を患っているケースでは、精神的にも負担が増えるため、不倫どころではない、といった状況になることも。
さらに、長い人生のなかでは、どちらかが病気になり、長期入院を余儀なくされることもあるでしょう。
男性側が入院している場合は、共通の女友達と連れだち、「得意先の人」などとごまかして見舞うこともできますが、女性が入院しているケース、それも女性が専業主婦だった場合は、男性がお見舞いにくるのは不自然です。
看護士さんの目を盗んで、病院のサロンなどで会っていると噂になってしまい、居心地が悪くなります。
そうした状況によって、不倫相手と会う時間が減ると、自分がしてきたことを客観的に見られるようになり、「私は不倫などしている場合じゃない」と冷静になる時間が増えます。
その結果、自然と相手への気持ちが薄れていったり、あるいは、人生を見つめ直したことで、きっぱりと別れを選択したという人も多いようです。