仮面夫婦を続ける夫の本音

カテゴリ:離婚
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2019.4.9

仮面夫婦が離婚しない理由


夫婦関係が破綻しているのであれば、早急に離婚をした方が良いのでは?と思われがちですが、敢えて離婚を選択しない夫婦もいます。
夫側の意見として「離婚をするよりも仮面夫婦として生活を続けていく」と考える背景には、どのような理由があるのでしょうか?

(1)離婚をしない方が得

男性の場合、離婚をすると会社や社会的な立場が悪くなる人がいます。
これは収入にも直結することが多く、自分の見栄やプライドに固執している訳では無く、生活を守るための選択という考え方です。
現実的に、昇進の条件に「離婚をしていない」という理由が含まれている企業も少なくありません。
サラリーマンにとって昇進は収入に直結するだけでなく、社会的立場に関わる大きな問題です。

これは一見すると、男性側の身勝手な言い分にも思えますが、実は女性側にも生活を守るための本音が見え隠れしています。

老後の事を考えると、夫の退職金や受給できる年金を考慮するのは当然の話。
仮に離婚をして得られる慰謝料や財産分与の総額と、離婚をしないで得られる総額を計算し「離婚は得策ではない」と、結論を出す女性もいます。
実際に、受給する年金が月額30万円を超える男性もいるため、実生活を考えると無視はできないでしょう。
(厚生年金と企業年金を合算した場合、夫の勤続年数が長いと高額になる例があります)

その結果、夫婦の絆は「愛情」よりも「損得勘定」で結ばれるようになます。
・夫は、苦手な家事を任せる事ができる/社会的なメンツが保てる。
・妻は、慣れ親しんだ家で過ごせるなら、家事ぐらい負担に感じない。
という、お互いに「独りで生活するより楽だから」という理由で離婚を選択しない人達です。

それでも、それ以上でもそれ以下でもない関係になるため、自然と必要最低限の関わり以外は無関心になります。
一見するとおしどり夫婦に見えて実は…と、周囲をビックリさせる仮面夫婦も存在します。

(2)子供への影響を考慮して

離婚は少なからず子供への精神的・経済的影響を与えます。
片親世帯が昔ほど問題視されなくなったとは言え、良い悪い…では無く、現実問題として偏見の目を完全に避ける事はできません。
加えて、離婚後の親権は母親側になる事が通常のため、子供と離れて暮らしたくない父親の気持ちも離婚を希望しない理由の上位です。

仮面夫婦の下で育った子供の方が問題が発生するリスクが高いという意見もありますが、これは結果論でしかありません。
家族間で十分な話し合いがなされていたり、夫婦仲が悪い事を子供に悟られないように単身赴任を装い別居するなど。
親として責任を持ち、子育てにベストを尽くそうとしている人達を非難することはできないでしょう。

(3)離婚するエネルギーが無い

離婚経験者から「予想以上にやる事が多くて疲れた」という話を聞く事があります。
行政上の手続き自体は、離婚届を役所に提出するだけの簡単な話ですが、共有財産の処分や名義変更。
子供がいた場合の親権の問題のみならず、将来的な相続の問題も発生します。

さらに、勤め先への説明や保険手続き等々、やるべき事の多さに驚く人も少なくありません。
もちろん、両親や親戚、近所への説明も欠かせませんので、離婚直後は対応に終わる日々が続くでしょう。

そして、新生活を始める準備をしないことにはスタートラインに立つ以前の話。
新たな住まいの準備に生活用品の調達、引越しなどの物理的な負担を考えると…。
離婚に二の足を踏むのも仕方がない話です。

男性側の意見では「仕事をしながら、離婚手続きと新生活の準備を同時進行でやるのは正直厳しい」という声もあります。
多少の我慢は必要になっても、現状維持の方が負担は少ない…となれば、離婚を先延ばしにするのも納得できる話です。

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