夫婦喧嘩の原因となるお互いのペース
夫婦喧嘩の原因を紐解いていくと、最初は些細なきっかけばかり。
他人から見たら「なんでそんな事で?」と言いたくなるほど小さなすれ違いが大半です。
しかし、この小さな不満の積み重ねが夫婦のペースを乱し、順調に動いていた歯車を徐々に狂わせます。
特徴的な例を紹介していきます。
(1) 家事分担に関する内容
比較的、男性側が不満を覚える事が多いようです。
どうしても「家事育児は女性の仕事」という先入観が抜けきらず、共働きであってとしてもその傾向は残ります。
日々、疲れているのはお互い様とは言え、男性は少しでも家事育児をすれば「自分は積極的に家のこともやっている」と満足しがちです。
しかし、細かいところまで目が行き届かず、最後の仕上げは妻に任せるパターンがほとんど。
(例:夕食は作るが洗い物は妻任せ。洗濯は干すが畳むのは妻任せ。子供を風呂に入れるが着替えは妻任せ…等)
そうかと思えば、力仕事は全面的に夫の役割で、外出時の車の運転も当然のように夫の担当。
さらに、妻が専業主婦の場合「生活費を稼いでいる上に家事も折半じゃ何かおかしくないか?」と、妻が主張する公平な家事分担に疑問に感じる事が出てきます。
そのため、過度に指摘されると「俺だって仕事も家のことも頑張っているのに!」と不満を覚えます。
次第に不平不満を漏らすようになり、すれ違いが生まれるきっかけになってきます。
(2)結婚・出産後も変わらない男性の生活リズム
これは女性側が不満に感じる事が多い内容です。
特に女性は出産を機に子ども中心の生活にシフトする事が多いですが、男性は良くも悪くもマイペースを崩しません。
すれ違いの原因となるパターンは、結婚・出産後も変わらない夫の趣味や交友関係が大きいでしょう。
妻としてはもっと育児に時間を割いて欲しい気持ちが強くても、夫は自分の趣味の時間や興味があるものへの消費/浪費をなかなか辞めません。
時には子どもと一緒に遊んでいるな…と思ったら、夫の方がTVゲームに夢中になり(しかもオンライン通信で大人同士で交流していることも)子どもの面倒は危ない事をしないか見守る程度…。
これでは妻としては「子どもの面倒を見ている」とは言えません。
しかし、夫の言い分としては「危ない事をしないように見守っているし、機嫌も良かったので自分の時間を楽しんでいただけ」で、なにが問題なのかわかりません。
このすれ違いも夫婦喧嘩の温床になります。
(3)子どもの教育方針の違い
これは双方で不満を感じる内容です。
我が子を立派に育てたい…という気持ちは同じはずなのに、目標が違っているために意見の食い違いが生まれます。
この時、夫婦ともに冷静になって「その議論は本当に子どものためか?」という視点を忘れてはいけません。
議論がエスカレートすると当初の目的を忘れ、先述した「夫婦間の主導権争い」になっている事がよくあります。
子どもの成長にもっとも悪影響を与える要因は「両親の不仲」です。
より良い教育のため…という気持ちは決して悪い事ではありませんが、夫婦仲に悪影響が出るようであれば、その議論はしない方が子どものためでしょう。
今ではインターネットの普及で様々な子育て情報が安易に入手できる時代になりました。
しかし、誤った情報や意図的に操作された情報も多く、その内容も精査せずに鵜呑みにすることは危険です。
情報過多になり、目の前の子どもの成長を見失っては本末転倒な話になってしまいます。
最後に〜気持ちを整理して仲直りするために大事なこと〜
夫婦喧嘩もルールを守り、手順を踏んで行えば決して悪い事ではありません。
問題解決のための建設的な喧嘩はむしろあって然るべき事であり、夫婦だけでなく家族の絆を深めることに繋がります。
例え夫婦喧嘩をしても、子どもにもわかるように「原因」と「喧嘩の仕方」「仲直りのプロセス」を示せば、子どもの成長に悪影響は与えません。
むしろ、話し合いで問題を解決することを学習し、子ども同士の喧嘩も話し合いで解決し、仲直りするようになります。
その結果、お互いに理解が深まり、自然とコミュニケーション能力の高い大人へと成長するでしょう。
夫婦間の些細な喧嘩…と軽く考えていると、子どもに思わぬ悪影響を与えてしまいます。
これは後悔してもやり直しができず、軌道修正には時間も手間も非常に大きな負担になります。
その夫婦喧嘩にどのような意味があるのか?
その結果、夫婦関係や子どもに悪影響が出ない、建設的な喧嘩なのか?
相手を責める前に冷静になることも非常に重要です。