「不倫(浮気)の時効とは?細かくご紹介します!」
もし、パートナーに浮気をしていた過去があったとわかったら…、あなたはどうしますか?
その時の状況や程度によって話は変わってきますが、どちらにしても素直に許せる話ではないでしょう。
場合によっては、離婚や慰謝料請求も視野に入れた話し合いをする事になります。
この時、よく耳にするセリフが「過去の話だし、もう時効だよ!」と許しを請う言葉。
確かに罪を認め、反省をして二度と過ちを繰り返さない…というのであれば、考えてもよいかもしれませんが…。
こういう事を口にする人は、都合よく物事を解釈し、不倫を繰り返す傾向がある人達なので、注意が必要です。
ちなみに、この「時効だから…」という言葉に、法的な根拠はあるのでしょうか?
詳しく解説をしていきます。
不倫の時効と前提条件
まず「時効」の意味を再確認すると、
「定められた期間を経過することによって、法的な権利や義務が変動する制度」
と言えます。
また、時効にも様々な種類があり、大きく分けると「刑事的な時効」と「民事的な時効」の2つがあり、不倫問題に関しては「民事的な時効」で考えます。
一般的に言われる不倫の時効は、具体的には「慰謝料請求の時効」の意味であり、一定期間を過ぎると時効消失となり、不倫慰謝料は請求できなくなります。
そのため、対象となるのは既婚者同士、もしくは婚約が成立しているカップルが一般的。
相手が既婚者だと知った上で交際を続けていた独身者なども、これに含まれます。
つまり、学生や結婚の意思がないカップルは、浮気が発覚しても慰謝料請求…とはならず「民事的な時効」の対象にすらなりません。
倫理的に浮気をした事に関しては無罪放免…とはなりませんが、法的には罰する規定が無いのが現状です。
時効成立…という話以前に、相手に法的な責任を要求すること自体が出来ないため、注意が必要です。
(1)不倫そのものには時効は無い
不倫に関しての法的な解釈は、民法770条に規定されています。
ここには離婚事由などが詳しく定められていますが、不貞行為そのものに関する時効の規定はありません。
不倫が原因のトラブルが、当事者同士の話し合いで解決しない場合は弁護士などが介入することもあります。
しかし、司法が介入する場合は、権利や財産の取り決めに関する内容のみ。
基本的に「不倫をした事実を許すか許さないか」は、当事者同士の気持ちひとつになります。
仮に、一生許さない…と、被害者側が思っていれば、どんなに謝っても不倫をした罪が無くなるわけでは無い…と解釈する事ができます。
過去に不倫が発覚した有名人が、何十年経っても「あの人は不倫をしていた」と言われてしまう事をイメージするとわかりやすいでしょう。
法的なお咎めはなくても、当事者や周囲が許さない限り、死ぬまで(下手したら死んでも)時効は成立しません。
(2)不倫の境界線と考え方とは?
これもしばしば議論になる「どこからが不倫になるのか?」という線引き。
法的な解釈では不定な行為の有無(=セックスをしたか?していないのか?)で判断されます。
しかし、時に「一緒にご飯を食べに行った!」「パートナーに内緒で連絡を取り合っていた!」という理由で不倫扱いされるパターンもあります。
仮に、配偶者が内緒で元・恋人と頻繁にメール交換をしていた事がわかれば、心中は穏やかではないでしょう。
お互いに「これは不倫に該当します」と納得をすれば、それは不倫として考えてよいかもしれませんが、この場合は当事者同士の話し合いの範疇に限られます。
この時、不貞な行為の事実が確認できなければ、慰謝料請求をすることもできず、法的には不倫として扱う事はできません。
日本の民法では「配偶者の不貞な行為によって、自分の権利や財産が侵害された分の保証」として慰謝料を請求する事が認められています。
そのため、配偶者以外の人と食事に行ったり、連絡を取り合っている程度では「権利や財産を侵害された」とは言えず、慰謝料請求の権利も認められません。